プレスリリース:メッセ・デュッセルドルフ社 2019年の業績

メッセ・デュッセルドルフをより強くした2019年度

メッセは景気好転の中核であり、メッセ・デュッセルドルフは明るい未来を見ています

 

コロナ・パンデミックの影響にも十分に備えるメッセ・デュッセルドルフ:メッセの開催本数が多かった2019年の大幅な売上・収益拡大により、グループの自己資本は5億ユーロ超に増加しました。現在のチャレンジングな状況の中でも、メッセ・デュッセルドルフはこれまで同様の持続的かつ責任感のある態度で、メッセ再開へのコンセプトを策定し、メッセと自社のデジタル変革を強化していきます。

 

好調なドイツ国内ビジネスとメッセ開催本数の多かった2019年、メッセ・デュッセルドルフは堅調な増収を記録しました。メッセ・デュッセルドルフグループの2019年の売上高は3億7850万ユーロ(2018年:2億9400万ユーロ)で、前年比28.7%プラスとなりました。グループ全体の税引後連結利益は5,660万ユーロ(2018年:2,430万ユーロ)に上りました。Messe Düsseldorf GmbH単体の売上は3億4400万ユーロと約32%増加(2018年:2億6040万ユーロ)、収益は3倍以上となりました。営業利益は232%増の5,080万ユーロ(2018年:1,530万ユーロ)を計上しました。これにより売上高利益率は14.8%(2018年:5.9%)となりました。

 

自己資本はグループ全体で+8.9%の5億1860万ユーロ、メッセ・デュッセルドルフGmbHで4億4800万ユーロとなり、現在のコロナ危機に対峙する地盤を固めました。現在の経済状況について、メッセ・デュッセルドルフGmbH代表取締役社長ヴェルナー M・ドーンシャイトは「私どもは2019年に非常に大きな利益を生むことができ、十分な流動資産と高い自己資本を得ました。これらを担保に、直面する危機を乗り越え、新型コロナウイルス終息後の経済回復を成功させ、持続させるための構想を練っていきます」と述べました。

 

2020年度の業績予想は下方修正

 

パンデミックの影響を受け、デュッセルドルフは現在までに以下10の業界ナンバーワン・メッセの延期を余儀なくされています:CARAVAN SALON、drupa、interpack、ProWein、wire、Tube、BEAUTY、TOP HAIR、ENERGY STORAGE EUROPE およびSportsInnovation。さらに世界各国でも現地での業界プラットフォームの役割を担う多数のイベントが延期されています。2020年度の業績予想はこれらの影響を受けることになります。

 

コロナ危機の前には、メッセ開催周期の関係からメッセ・デュッセルドルフGmbHの2020年業績は非常に好調(売上高4億7400万ユーロ、税引き後利益8,220万ユーロ)であろうと予想されていましたが、下方修正の必要性は明らかです。今後の収束状況が読めないため正確な予想は不可能ですが、現在の推測によると、売上は2億ユーロ以下に減少し、数千万ユーロの損失が予想されています。2020年5月20日に行われた株主総会では、2億ユーロ弱の配当が行われることが決定されました。

 

再開に向けて:経済をポールポジションへ先導するメッセ

 

メッセ・デュッセルドルフは新型コロナウイルスの影響下においても引き続き、堅調・持続的に活動します。まず6月から8月末まで短時間労働を導入し、2020年に予定されていた投資計画をマイナス3億ユーロとなる約4億ユーロ規模に縮小させます。一方で、メッセ再開の準備を行っており、延期後の日程はほぼすべて調整済みです。

 

「私どもは関連各局、業界団体やパートナーと密に連携し、再開へのコンセプト作りに取り組んでいます。メッセ運営会社としてこれまでの構築した高い安全・衛生基準を、最新の知見に適応させなければなりません。お客様、来場者、従業員の健康が常に最優先事項です。同時に関係各社の経済損失を最小限に抑え、お客様やパートナー、また関連各社の今後に考えうるかぎりのセキュリティを準備したい」とドーンシャイトはコメントしています。今後講じられる措置については近日中に発表される予定です。

 

成長率の高い将来性あるプラットフォーム

 

ドーンシャイトは、「弊社の業界ナンバーワン・メッセはさまざまな業界の意思決定者が集まる国際的なプラットフォームとして、それぞれの市場で最高のポジションを獲得しています。2019年の出展者数、来場者数、展示面積に関し、メッセ・デュッセルドルフの成長率は業界の平均値以上の数字を記録しています」と自信をのぞかせます。デュッセルドルフで開催された主催イベントでは26,259社の出展者(+2.9%)が約83.5万㎡の展示スペース(+1.9%)でおよそ130万人の来場者(+2.3%)に対しイノベーションを発表しました。メッセ・デュッセルドルフは2019年、ライン川沿いの州都で合計29のイベント(前年:27)を開催し、うち主催は18、その他11が共催・ゲストイベントでした。

 

「有事の時こそ、企業に再び新製品やイノベーション、トレンドを発表する舞台を提供することが非常に重要です。業界のプレイヤーには、情報交換をし、ともに来るべき将来への転換を図るというチャンスが与えられなければなりません」とドーンシャイトは強調し、「だからこそ弊社のメッセには高い評価が寄せられていると自負しており、私どもは各業界また経済全体に弾みをつけたいと考えています」と述べました。メッセ・デュッセルドルフは常にイベントの内容を発展させています。もともとは労働安全のメッセである「A+A(国際労働安全機材・技術展)」は前年、仕事の未来に関するハイライト・ルートを設定しました。ここでは出展者は個人の安全確保へのスマートソリューション展示に加え、新しい職場のコンセプトや労働構造に対する新しいアイデアも多く発表されました。「MEDICA(国際医療機器展)」は重点テーマとしてデジタルな医療の未来を取り上げています。デジタル・ヘルスをテーマとして扱うCONNECTED HEALTHCARE FORUM とHEALTH IT FORUMの2つのフォーラムだけで、2019年は併せて1万人以上の来場者を迎えています。

 

さらに将来性のあるニッチなテーマに関するメッセも打ち立てます。マルチチャネル・ダイアログマーケティングのためのコングレスメッセ「PRINT & DIGITAL CONVENTION」や、世界発となる自動車ガラス、スマート修理、自動車加工の専門メッセ「tasc」などの新しいイベントにおいて、2019年は出展者・来場者ともに二桁台の成長率を記録しています。

 

社会的課題解決のプラットフォームとしてのメッセ

 

メッセは転換期を迎えています。業界の個別テーマと並び、環境や経済・社会全体の問題も頻繁に中心テーマの一角を担い、その解が求められてきています。私どもは業界ナンバーワン・メッセという形で、最新の挑戦課題に対するソリューションを発表し、専門家とともに議論を行えるプラットフォームを業界に提供しています。「K(国際プラスチック・ゴム産業展)2019」ではさまざまな特別プログラム内において、未来の循環型経済のすべての側面をテーマとして扱いました。「boot(国際ボート・水上スポーツ展)」では海洋・環境保護が議題として取り上げられます。メッセ・デュッセルドルフ、Deutsche Meeresstiftung(ドイツ海洋財団)、アルベール2世財団のイニシアチブである「love your ocean」では、特別スペースにおいて企業や団体、機関が水質保全のためにどのような取り組みを行っているかを発表しています。

 

デジタル変革:未来への投資

 

メッセ・デュッセルドルフではメッセコンテンツの拡充とともに、お客様がデジタルで発表を行える機会も創っています。私どものオンラインポータルでは、すでに一年365日メッセが開催されており、出展者が自社や製品をマルチメディアを用いて紹介し、業界の代表者らとコンタクトを取ることができます。より使いやすく、お客様のコンテンツをより魅力的に見せられるよう、私どもはこのフォーマットを継続的に進化させていきます。

 

drupa(国際印刷・メディア産業展)」では今秋、2021年に延期となった印刷技術業界ナンバーワン・メッセの前哨戦としてのデジタル版プレビューが計画されており、多くの出展者がオンライン上で発表する予定です。国際会議、ミーティング、イベントを専門に扱ってきた子会社Düsseldorf Congressはさらに、バーチャルな国際会議、総会、ウェブ放送などのオファーを始め、それぞれに必要な空間、技術、ノウハウの提供も行っています。ドーンシャイトは、「メッセというフォーマットのデジタル化のほかに、数年来よりすでに自社のデジタル変革も進めてきています。これは新型コロナウイルスCovid-19影響下においても、アフターコロナの時代においても効果をもたらすでしょう」と期待を述べました。

 

会場改修:お客様と環境にとっての付加価値

 

将来も、競争力があり、お客様にとって魅力的な企業であり続けるために、メッセ・デュッセルドルフは保有するスペースを技術、機能性、快適さ、建築の観点から時代の最先端に保ち続けます。2019年秋に12,000㎡超のホール1が運用開始となり、2020年には高さ20m、7,800㎡の張り出し屋根を備える南エントランスが新たに完成する予定です。ちょうどメッセの再開に合わせ、新しい建築ハイライトが完成しそうです。3月にロックダウン(都市封鎖)が始まるまで、ホール1は完成直後から長期にわたり完全に予約されていました。すべてのメッセホールを近代化させるというメッセ・デュッセルドルフが計画する2030年までのマスタープランのうち、さらなる建設計画は現状を鑑み一旦凍結されています。

 

国際ビジネスのさらなる強化

 

141か国に77の海外代表部を持つメッセ・デュッセルドルフは、グローバルにも拡大の道をたどっています。特にアフリカ、南米、中東など高い成長可能性を秘めダイナミックな未来の市場では、デュッセルドルフで業界ナンバーワンを誇る4つのメッセ、「interpack (加工・包装)」、「MEDICA (ヘルス・医療技術)」、「K (プラスチック・ゴム)」、「wire & Tube (メタル・流動技術)」の傘下で国際ビジネスを継続的に拡充させています。

 

2019/20年には、歯科医療業界をリードするインドの専門メッセ「FAMDENT Show」がムンバイ、interpackアライアンスのメンバーである「pacprocess Middle East Africa(中東アフリカ国際加工・包装産業展)」がカイロ、業界ナンバーワン・メッセ「drupa」を中心に構成される印刷技術のポートフォリオの一部である「Pack Print Plas (PPP) Philippines(フィリピン国際包装・印刷・プラスチック産業展)」がマニラ、新しく南米市場を開拓するためにProWeinワールドファミリーのメンバーとして加わった「ProWine(ブラジル国際ワイン・アルコール飲料展)」がサンパウロで新たに開催されます。メッセ・デュッセルドルフは昨年、合計57のイベント主催および参加を国外で実施し、7,000万ユーロ超の売上を計上しました。最重要国外市場は依然として3,400万ユーロの売上高を記録するロシアで、それに中国(約1,700万ユーロ)、シンガポール(740万ユーロ)が続きます。

 

海外ビジネス戦略がデュッセルドルフにもたらすフィードバック

 

メッセの地・デュッセルドルフにもたらされるフィードバック効果は、メッセ・デュッセルドルフのグローバル戦略成功の裏付けです。数年来にわたり、国外からの参加者のパーセンテージが上昇しており、2019年にはデュッセルドルフで主催されたイベントへの出展者は73.4%(2018年:71.3%)、来場者は37.1%(前年:36.6%)がドイツ国外からの参加でした。特に4つのグローバル・ポートフォリオをもつ業界ナンバーワン・メッセにおいてこの傾向は強く、2019年は実に70%弱のお客様が、国外からデュッセルドルフを訪問しました。

 

これらすべては経済活動拠点にも好影響をもたらします。ミュンヘンに拠点を置くifo-Institutの統計によると、デュッセルドルフのメッセ・会議ビジネスだけで、ドイツ国内に年間29.8億ユーロ(デュッセルドルフには16.6億ユーロ)の売上高、27,692件の雇用(デュッセルドルでは16,664件)、さらに5億6700万ユーロ(デュッセルドルフでは3,630万ユーロ)の税収をもたらしています。また、職人や展示内装業者、飲食店、ホテル業、小売業、公共交通機関など数多くのビジネスセクターがイベント業界に関連しています。ドーンシャイトはそれゆえ、「出展する産業だけでなく、川下の業界、また経済拠点であるデュッセルドルフやドイツ全体のためにも、メッセを可能な限り早く再開させるために私どもは全力を尽くしています」と強調します。

 

2020年に行われる役員の新人事

 

メッセ・デュッセルドルフGmbHの代表取締役社長ドーンシャイトは本年6月、約17年の任期を終え定年を迎えます。後任には、2018年の入社以来数多くのグローバル・ポートフォリオの責任を担うヴォルフラム N・ディーナーが、7月1日に就任します。また、すでに2020年1月1日には2019年に離職した専務取締役・ハンス W・ラインハートの後任としてエアハルト・ヴィーンカンプが新しい専務取締役に就任しています。財務・技術の責任者であるベルンハート J・シュテンプフレとともに、3名の新しい経営陣となります。

 

ヴェルナー M・ドーンシャイトは新しい経営陣の成功を確信し、「市場は変化し、世界はよりグローバルに、よりデジタルに、より複雑になっています。かつてない挑戦がCovid-19パンデミックによりもたらされました。長年にわたるメッセでの経験を持つW.N.ディーナー、B.J.シュテンプフレ、E.ヴィーンカンプは理想的なトリオであり、メッセ・デュッセルドルフをコロナの時代を乗り越え、将来的にベストポジションに導いてくれることでしょう」とコメントしています。

 

お問い合わせ:

メッセ・デュッセルドルフGmbH

コーポレートコミュニケーション部

Dr. Andrea Gränzdörffer
Tel.: 0211/4560-555
Fax: 0211/4560-8548
Email: graenzdoerffera(at)messe-duesseldorf.de

 

※本リリースは、メッセ・デュッセルドルフ社によるプレスリリースの日本語版です。